はじめに
こんにちは。
最近、IPv4 over IPv6、いわゆるIPoE IPv4が使えるプロバイダが増えてきましたよね。
この記事は、IPv4 over IPv6の環境と、従来のPPPoEの環境とを併存させたい、できれば同じLAN内で使い分けられるようにしたい、と思って、試行錯誤した上でのまとめ記事です。
試行錯誤したのは去年(2021年)の4月ごろで、ずっとまとめたいなと思い続けて、早8ヶ月という感じですね。
IPoEメインにして、必要に応じてPPPoE環境を使う記事はいくつかあったのですが、PPPoEをメインにしながらIPoEを特定の端末だけ使う仕組みにしている記事は、あまりありませんでした。
基本的に端末はIPoEで、サーバーなどはPPPoE、という運用が普通でしょうから、通常の使い方であれば、IPoEメインの方が都合が良いかと思うのですが、私は訳あってPPPoEメインで使いたいと思いました。既存のPPPoE環境はそのままに、IPoE環境を追加する形をとりたかったんですよね。試行錯誤の末、とりあえず実現しました。
ただ、私ネットワークにはど素人なので、もしかしたら不備や、まずいだろ、ということをしているかもしれません。その点十分ご注意いただき、あくまで参考程度にしていただければ幸いです。
環境
私の環境はこんな感じです。
- プロバイダ:ドコモ光 OCN
- IPv4 over IPv6環境 (IPv4 IPoE):OCNバーチャルコネクト
- メインルーター: NTT西日本標準ホームゲートウェイ RT500MI
方法
方法としては、結論から言うと、以下のような構成にしました。
概要を説明すると、メインルーター(DHCPサーバー)をHGW(ホームゲートウェイ)にして、そこから2つLANケーブルを持ってきます。
1つを、TP-LINKの無線ルーターのLAN側に繋ぎます。ルーターならなんでも大丈夫です。この時、無線ルーターはアクセスポイントモードではなくて、ルーターモードにします。DHCPサーバー機能をオフにします。また、このルーターのIPv6機能をオフにします。
もう1つを、IPv4 over IPv6対応ルーターのWAN側に繋ぎます。私は、WSR-1166DHPL2/Nを導入しました。Amazonでめちゃめちゃ安く売ってたんですよね。
そして、WSR-1166DHPL2/NのLANポートと、TP-LINK無線ルーターのWANポートを繋ぎます。
細かい点
IPv4 over IPv6対応ルーターとしてBuffalo製ルーターを用いる場合は、Buffaloルーターの設定を変更して、WAN側とLAN側のMacアドレスに別のものを設定する必要があるみたいです。
この構成の何が嬉しいか
この構成にすると、
- 通常接続した場合は、HGWがDHCPサーバーなので、PPPoE接続になる
- 手動接続(この場合192.168.1.253のルーターを指定して接続)した場合は、IPoE接続になる
というメリットがあります。
手動接続してIPoEネットワークに繋ぐ方法としては、端末側の設定で、ルーターのIPアドレスを「192.168.1.253」にして、端末側のIPアドレスを「192.168.1.70」など、サブネットに収まる形で手動設定する形となります。
解説
かなり試行錯誤して編み出した方法です。
この方法の肝は、IPv4 over IPv6対応ルーターを直接DHCPサーバーの同一サブネットに組み込むのではなくて、もう一つ別のルーターをかましていることです。
2重ルーターみたいになってしまうので、この構成がベストかはわからないのですが、HGWをDHCPサーバーとして使う場合、HGWのIPv6をオフにすることができず、ここにIPv4 over IPv6対応ルーターを混ぜ込んでしまうと、IPv6のネットワークでループが起きてしまうんですよね。
そもそもHGWをメインルーターにしないで、別のルーターを使うとか、LAN側のIPv6をオフにできるIPv4 over IPv6対応ルーター(技術的に可能なのかはわかりませんが)があれば、わざわざこんな構成にしなくていいのかもしれません。
ただ、案外工夫することで高価なプロ向けルーターを使わずに、比較的安価なルーターだけでこの構成を実現することができました。
何かの参考になれば嬉しいです。
参考記事
v6プラスとIPv4(PPPoE)を併用する(その1)ー 疲労コンパイル