はじめに
ファンクションキー(Fキー)を使うと、文章の日本語変換の時に、一発でひらがなやカタカナに変換できたりします。
macの場合でも、(Windowsとは多少割り当てが異なるようですが)、基本的に、
- F6:ひらがな
- F7:全角カタカナ
- F8:半角英数字
- F9:全角英数字
に変換することができます。なお、一発で変換するには、「システム環境設定→キーボード」から、「F1、F2などを標準のファンクションキーとして使用」をオンにしておく必要があります。
(macOS Ventura以降は、「システム設定→キーボード→キーボードショートカット…→ファンクションキー」から「F1、F2などを標準のファンクションキーとして使用」をオンにします。)
ここまではご存じの方多いと思うのですが、Microsoft OfficeのWordやExcel、PowerPointでは、この変換がうまくいかないことがあります。
これについてはいくつかの記事で取り上げられていて、例えばWordの場合は、「Word」→「ツール」からショートカットキーの設定で変更することができると紹介されています。
ところが、私の環境では、確かにF7キーはカタカナに変換できたのですが、F6キーひらがなキーはうまくいかなかったんですよね。
色々調べていると、諦めた方がいいという記事もありました。
確かにControl+Jといったキーに慣れるのも一つだなと思いながらも、諦めきれず…
ふと、キーバインド設定をすればいいじゃんということに気がつき、今回成功したので、ご紹介します。
キーバインドとは、キー割り当てを変える設定のことで、例えば、F6を押したときは、Control+Jを押したようにする、ということです。
調べると、Karabiner-Elementsという便利なアプリがあるみたいです。
やり方
前置きが長くなりましたが、やり方をご説明します。
流れとしては、
- Karabiner-Elementsをインストールする
- Karabiner-Elementsのキー監視を有効にする
-
~/.config/karabiner/assets/complex_modifications
に設定ファイルを置く - Karabiner-Elementsで設定ファイルを読み込む
といった感じです。
1.Karabiner-Elementsをインストールし、設定する
リンクからダウンロード、インストールしてください。
2.Karabiner-Elementsのキー監視を有効にする
インストール後はいくつか設定が必要です。この記事でも一通り説明しますが、こちらの記事がわかりやすいかもしれません。
インストールができたら、Karabiner-Elementsを開きましょう。
そうすると以下のような画面が出て、拡張機能を有効にするよう指示されると思うので、「セキュリティ環境設定を開く」から、「許可」しましょう。
このプロンプトで「OK」を押してしまった場合は、「システム環境設定→セキュリティとプライバシー」を押せば大丈夫です。
「許可」が押せない場合は、鍵のマークを押してロックを解除しましょう。
また、今度は入力監視を許可するようプロンプトされると思うので、表示された画面で、「karabiner_grabber」と「karabiner_observer」にチェックを入れて、許可します。
この画面が表示されない場合は、「システム環境設定→セキュリティとプライバシー→プライバシータブ→入力監視」を確認しましょう。
また、キーボードの識別画面が出てきた場合には、画面の指示に従ってください。
3.設定ファイルを置く
ここまでできたら、karabinerの設定用ファイルを置きます。
Finderで、~/.config/karabiner/assets/complex_modifications
を開きます。
開くには、ターミナルアプリを開いて、
open ~/.config/karabiner/assets/complex_modifications
とすると手っ取り早いかなと思います。
こちらから設定ファイル(拡張子が.json)をダウンロードして、開いたフォルダの中にそのまま置いてください。
中身は以下のようになっているので、分かる方はこちらをコピーして、適当なファイル名.jsonで保存してもらっても構いません。
(上級者向けのメモ:今回F6〜F9キー全ての割り当てを書きましたが、私の記憶ではデフォルトでできていたキーもあった気がするので、その設定内容は消しても問題ないかもしれません。)
{
"title": "F6, F7, F8, F9 bind in Office",
"rules": [
{
"description": "F6, F7, F8, F9 bind in Office (F6->Ctrl+J, F7->Ctrl+K, F8->Ctrl+;, F9->Ctrl+l)",
"manipulators": [
{
"conditions": [
{
"type": "frontmost_application_if",
"bundle_identifiers": [
"^com\\.microsoft."
]
}
],
"type": "basic",
"from": {
"key_code": "f6"
},
"to": [
{
"key_code": "j",
"modifiers": [
"control"
]
}
]
},
{
"conditions": [
{
"type": "frontmost_application_if",
"bundle_identifiers": [
"^com\\.microsoft."
]
}
],
"type": "basic",
"from": {
"key_code": "f7"
},
"to": [
{
"key_code": "k",
"modifiers": [
"control"
]
}
]
},
{
"conditions": [
{
"type": "frontmost_application_if",
"bundle_identifiers": [
"^com\\.microsoft."
]
}
],
"type": "basic",
"from": {
"key_code": "f8"
},
"to": [
{
"key_code": "semicolon",
"modifiers": [
"control"
]
}
]
},
{
"conditions": [
{
"type": "frontmost_application_if",
"bundle_identifiers": [
"^com\\.microsoft."
]
}
],
"type": "basic",
"from": {
"key_code": "f9"
},
"to": [
{
"key_code": "l",
"modifiers": [
"control"
]
}
]
}
]
}
]
}
3.Karabiner-Elementsで設定ファイルを読み込む
ここまでできたら、Karabiner-Elementsを開いて、
「Complex Modifications」から、「Add rule」すると、設定を読み込む画面になります。
正しく設定ファイルを設置できていれば、「F6,F7,F8,F9 bind in Office」を有効にできるようになっているはずなので、「Enable」してください。
なお、設定ファイルでは、Office系ソフトを立ち上げた時のみ、このキーバインド設定が有効になるようになっています。
ここまでできたら、WordでF6を押してうまくひらがなのままになるか、など、試してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。この記事が参考になれば幸いです。
参考サイト等
https://azra.hatenablog.jp/entry/2019/01/27/183341
https://blog.wanichan.net/entry/2016/11/22/215850
https://soundorbis.com/howto-karabiner/
https://qiita.com/s-show/items/40ad22c4ee4a0465fad5